プラモデル製作を始めようと思うと、初期の道具を揃えるのがとても大変だ。
単にパーツを切り出して接着剤でくっつけるだけであれば、ハサミと接着剤があればよい。でもこれでは味気ないだろう。作るからには綺麗に整形して着色したいはずだ。
そこで、だいたいどのような道具が必要になるのかケースごとに考えてみたい。なお、私はカープラモデルしか作らないが、ガンプラなどにも応用できるはずだ。
パーツだけ綺麗に切り出せれば良い
塗装はそれほど気にしない、パーツだけ綺麗に切り出して組み立てて完成させることができればよいという人は、以下の道具を揃えれば大丈夫だろう。
- 薄刃ニッパー
- フィニッシングペーパー#600〜#1000
- モデラーズナイフ
薄刃ニッパーでゲートから切り離し、余分なバリはモデラーズナイフやフィニッシングペーパーで削れば綺麗に整形できる。パーツが綺麗に合わないときもフィニッシングペーパーで削って整形すれば良い。
とりあえず塗装できれば良い
あまり細かいことは気にせずに、とりあえず1色や2色で目立つ箇所だけ塗装したいという人は、以下の道具を揃えればいいだろう。
- スプレー缶タイプの塗料
- マスキングテープ
- フィニッシングペーパー#1000
念のため、フィニッシングペーパーの#1000で塗装面を水研ぎして滑らかにしておき、スプレー缶で塗ってしまう。マスキングテープを加えたのは、塗装したくない箇所を保護しておくためだ。ただここで気をつけなくてはいけないのは、絶対に近隣住民に配慮しなくてはいけないこと。おそらく屋外で塗装することになると思うが、塗料の粒子が飛散してしまうので集合住宅や戸建てでも家が密集している地域はやめておいたほうがよい。こういう場合は、10,000円ぐらいから購入できる塗装ブースを使用して室内で作業する。
本気で取り組む
本気で取り組む場合、初期投資額がウン万円単位になることは覚悟する。しかも気軽さはない。道具類が場所を取るからだ。自分で自由に使える部屋が1室ある人は工作部屋にしてしまってもいいが、そうでない人は道具類をコンパクトに収納しておけるスペース確保を最優先に考えておくべきだ(そうしないと家族から非難が集中するだろう。こわい!)。
私は工作部屋を持てないので、使わなくなったキャスター付きラックを収納スペースとして使用している。それでもやはり家族からは邪魔扱いされているので、これから道具を一式揃えて本気で取り組む人はそれなりの覚悟が必要だろう(あと家族へのサービスもね!)。参考までに私が使っているラックは、以下の様なものだ。これに塗装ブースやコンプレッサー、塗料やその他道具類をすべて乗せている。
さて収納スペースの問題を解決したあとは揃える道具類だ。以下のものが必要になる。
- エアブラシ
- エアブラシ用スタンド
- コンプレッサー
- 塗装ブース
- ペインティングスタンド(代用品があればそれでもよい)
- 薄刃ニッパー
- モデラーズナイフ
- つる首タイプの精密ピンセット
- カッティングマット
- 15cm程度の定規(マスキングテープカットの添え木として)
- デカールバサミ
- フィニッシングペーパー#600〜#1500
- 接着剤
- フィニッシングペーパー#600〜#1500
- マスキングテープ
- マスキングゾル(あれば便利)
- 綿棒(おもに掃除用具として。先の細いものがよい)
- 面相筆(補修やスミ入れに使用)
- 塗料皿(代用品があればそれでもよい)
- 各種クリップ(目玉クリップ、ペインティングクリップなど)
- 塗料(スミ入れ用のエナメル塗料も)
- サーフェイサー
- 塗料うすめ液
- トップコート
- キッチンペーパー(周りを汚さないために。新聞紙でも可)
- アルコールタイプのウェットティッシュ(掃除用具として)
だいたいこのぐらい用意できれば十分だ。足りない道具がでてきたらあとから買い足せばいいだろう。これだけでざっと5〜7万円程度のお金がかかる。頭がクラクラしてくる額だ。家庭のあるお父さんやお年玉やお小遣いなどの臨時収入に頼るしかない若者にとっては厳しい現実だ。でも本気でやると決めたからにはめげずに頑張ってほしい!近所の模型屋さんにお金を払って時間貸ししてもらう手もあるかもしれない。
プラモデルは綺麗に作れると断然楽しくなる。道具を一通り揃えるのは大変だが、気長に取り組んでいくぐらいの気持ちで始めてもらえたらいいと思う。